早すぎる判断
歯が痛い時はとにかく痛みを取り去りたいという気持ちになります。
私としても、一刻も早く痛みを取り除いてあげたいです。
ただ、
ここで慎重に診断をしていかなければ、
・本来抜かなくてよかった歯
・本来取らなかくてよかった神経
・本来削らなくてよかった歯
を治療してしまうかもしれません。
そして、麻酔をかけ、神経を取り除き、
もしくは歯ごと抜いてしまえば
後からどうだったのか？はわかりません。
実際に痛みが取れた場合であっても、
それは急性発作が鎮まっただけかもしれません。
風邪が3日くらいで楽になるように、
細菌感染を起こすと、おおよそ3日くらいで抗体が出来ます。
1、2日我慢して「そろそろまずいな」と受診した場合、
痛みが治まる時期が近くなってしまいます。
また、単純に「歯が痛い」と言っても原因は様々です。
それらの原因を探るためにはそれほど時間もかかりません。
まずは落ち着いて原因を探らなくては、
残せるものも残らなくなってしまいます。
当院での治療
当院では、まず痛みの質をお伺いします。
いつから痛いのか？
どれくらい痛いのか？
どのように痛いのか？
など、詳細にお聞かせいただきます。
それでも原因というのはいくつかに絞れるくらいな
ものなので、必要があると判断した際にはレントゲンを
撮らせていただきます。
ただ、近年は健康への意識が高い方も多いので、
年間被曝量も考えてレントゲン撮影をするかどうか、
するのであれば小さくで済まないか？なども
検討します。
原因がある程度定まったとしても、それでも他の可能性は
残っていないかを十分に注意して、
視診・触診・麻酔診断などを駆使して
「後の祭り」にならないように注意します。
痛みはしばらくすれば落ち着くものですが、
失った神経・喪失した歯などは今後の人生も
ずっと続くものです。
確かにお痛みは辛いことではありますが、
その先のことも考慮して治療をしていかなくてはいけません。