手軽さが最大のメリット
ペットボトルに似たプラスチックに近い材料を、
歯型を少しずつずらして行う矯正治療方法です。
3,4週間に一度の頻度で新しいマウスピースに交換していき
歯を少しずつ動かしていきます。
・歯に直接矯正装置やワイヤーを着ける必要がない。
・取り外しが自由
・装着していても目立たない
などの理由から、
人前に出るお仕事の方や学生さんに人気の治療方法です。
型を採って専門の歯科技工所に送るだけなので、
歯科医院としては「渡すだけ」となります。
手軽で手間もかからず、治療時間の大幅な削減が出来るので、
その空いた時間に他の患者様が診療出来るという
メリットがありますので、
インプラントに代わる新たなドル箱として
採用する医院が増えています。
ただ、
歯の移動の生体力学は、やはり矯正治療と似通う部分が大きいです。
技工士さん頼みになってしまう場合も多く、
その前にある「診断」が甘くなってしまうこともしばしば。
マウスピース矯正は矯正治療に深い知識がなくても
導入しやすいという宣伝で広まってきたこともあり、
あまり矯正治療を行なったことのない歯科医も導入するようになり、
トラブルになっていることも多いのが現状です。
一時期流行った入れ歯のような床矯正と呼ばれるものも、
「骨が広がらず歯が傾いただけ」になってしまい、
前歯が噛めない「開咬」という状態になってしまうという
トラブルが頻発しました。
また、装着時は歯が触れ合えないこともデメリット
として働くこともありますし、
そもそも見えないように薄くしてありますから、
必要な強度が取れずに狙った動きが得られないこともあります。
さらに、この「マウスピース矯正」も
・無理な力がかかって歯の神経が死んてしまった
・前歯は並んだけれども奥歯が噛めなくなった。
・なかなか動かない
・「開咬」になってしまった
というトラブルの報告がされています。
最近になって出始めたようなマウスピース矯正ですが、
宣伝が上手くいって広まっただけで、
数十年前に「ESIX appliance」というものが登場しており、
臨床実績のある治療方法です。
私自身は技工操作、つまり作るところから学んできていて
実際に自分で作って治療を行なってきましたから、
この治療の利点と欠点の多くを把握しております。
ですので、現在出回っている多くのマウスピース矯正が
「あらゆる症例にも適応できる」のような風潮には懐疑的で、
トラブルケースに出くわす度に「やっぱりな」と思っています。
せっかく歯の矯正をして、素敵な笑顔を作り
幸せな人生に踏み出そうというのですから、
値段や簡易さだけで判断をせず、あなたに合った治療方法を
選択してほしいと思います。
当院では、いつでもマウスピース矯正のご相談を承っております。
まずは気軽にお電話ください。