神経が生きている歯の場合
神経が生きている歯は弾力性に富み、代謝も行われています。そのため、かけてしまうことは稀なことです。まず、どうしてかけてしまったのかを考える必要があります。全くの未処置の場合、かけてしまう多くの原因は歯ぎしりや食いしばりなどの、過度な力の負担を考える必要があります。それらによって生じる歯質の欠損を咬耗(アブフラクション)と読みます。また、直接力が加わらなくても応力の集まるところに欠損が出来てしまったものをくさび状欠損と言います。多くの場合、これらかけてしまったところには最小限に補修する治療を行います。しかし、補修した材料が何度もかけてしまうようなことを繰り返す場合、マウスピースを夜間に使用してもらうことや、かけてしまった歯の周囲の歯も治療対象に含んで考える必要が出てくることがあります。
過去に処置をしている場合は、残りの歯の厚みを検討する必要があります。特に、金属による修復処置が施されていた場合、歯と金属の強度の違いから歯の側に亀裂が入り、そこを起点にしてかけてしまうことがよくあります。その場合には、残りの歯の量も考慮して、時には被せるタイプの処理をする必要もあります。外側から覆った方が強度的に耐えられるからです。