歯が黄色く見える原因の一つに「エナメル質表面の着色」があります。
これは「外因性因子による着色」と考えられ、歯そのものの変色とは少し異なる性質があります。
「外因性因子による着色」の原因
この外因性因子による着色については、
「ペリクル」に着色因子が吸着された後に沈着することによって、
歯が着色してゆくように見えることが今のところ通説となっています。
ペリクルとは、ハイドロキシアパタイト結晶に、ムチン・酸性プロリン含有タンパクのような唾液由来のタンパク質が凝集し、これらが0.1~0.2μmほどの厚みを帯びて歯冠表面を覆う糖蛋白のことをいいます。
「ペリクル」は「獲得皮膜」と呼ばれることもあります。
着色するものとしては、
・嗜好飲料(コーヒー、紅茶、お茶)のタンニン酸
・タバコのヤニ
・ワイン
などが挙げられます。
特に嗜好飲料におけるタンニン酸は、タンパク質と反応して不溶性になり、カルシウムやマグネシウムと反応して褐色の沈殿を生させます。また、鉄と反応して暗褐色の沈殿を生じさせます。
これら沈殿物がペリクルに吸着された後に歯面に沈着することによって歯が着色するといわれています。これら以外にも、日常的に口に入れるものから着色してしまう場合があります。
歯の表面はよく見ると凹凸があり、時には微細な亀裂などもあります。
それらの中に着色物質が残って表面に強固に付着してしまう場合もあります。